アメトークで紹介されたおすすめ小説10選！芸人たちが熱く語る名作

アメトークの人気企画「読書芸人」で紹介された小説は、放送後すぐに書店で品切れになるほどの影響力があります。2025年最新の放送で芸人たちが熱く語った小説をピックアップしました。普段本を読まない人も思わず手に取りたくなる、バラエティ豊かな10作品をご紹介します。

アメトーク読書芸人とは？人気企画の魅力

テレビ朝日系列で放送されている「アメトーク」の中でも特に人気の高い企画が「読書芸人」です。本好きの芸人たちが集まり、自分のお気に入りの本について熱く語り合う姿は、多くの視聴者の心を掴んでいます。

読書芸人の放送内容と視聴者への影響力

「読書芸人」の放送後には、紹介された本が書店やオンラインショップで軒並み売り切れになる現象が起きています。2022年の放送では、紹介された本がAmazonの文芸書売り上げランキングで上位を独占。第1位から第9位までが「読書芸人」で紹介された作品という驚異的な結果となりました。

テレビの影響力をまざまざと見せつける現象ですが、これは単なるメディア効果ではありません。芸人たちの真摯な読書体験と、本に対する情熱が視聴者の心を動かしているのです。

本選びの基準と芸人たちの読書傾向

読書芸人として登場する芸人たちは、それぞれ独自の視点で本を選んでいます。オードリー若林さんは人間の内面や社会問題を扱った作品を好み、Aマッソ加納さんは小説全般、特に現代文学に詳しいという特徴があります。

ビビる大木さんは歴史や伝記を中心に選書し、カモシダせぶんさんはミステリー小説に造詣が深いなど、芸人それぞれの個性が光ります。この多様性こそが「読書芸人」の魅力であり、視聴者が新たな本との出会いを得られる理由でもあるのです。

2025年最新！アメトークで紹介されたおすすめ小説10選

2025年に放送された最新の「読書芸人」で紹介された小説の中から、特に反響の大きかった10作品をご紹介します。芸人たちが熱く語った名作の数々を、ぜひチェックしてみてください。

『何様』朝井リョウ著 – 現代を鋭く切り取る短編集

直木賞受賞作『何者』の謎が明かされる短編集として話題になった『何様』。就職活動後の人生を探求する6つの物語が収録されています。

オードリー若林さんが「滑稽でみっともない彼らを、絶対に笑わない」と語ったように、現代社会を生きる若者たちの姿を冷静に、しかし温かい目線で描いた作品です。就活を終えた後の人生の迷いや葛藤、そして成長の物語が読者の心に深く刺さります。

『森に眠る魚』角田光代著 – ママ友の闇を描いた衝撃作

東京に住む5人のママ友の関係性を描いた『森に眠る魚』は、表面上は穏やかに見える関係の裏に潜む闇を鋭く描き出しています。

若林さんは「最初はピクニックをしたり良好な関係を築いているのに、お受験の取材がきっかけで関係性が崩れていき、最後には大変なことになっていく」と紹介。現代社会における人間関係の脆さと複雑さを描いた作品として高い評価を受けています。

『かなしみの向こう側』高佐著 – 日常と非日常が交錯する物語

日常の中に潜む非日常を繊細なタッチで描いた『かなしみの向こう側』は、2025年の読書芸人で最も熱い議論を呼んだ作品の一つです。

主人公が偶然出会った不思議な少女との交流を通じて、自分自身の「かなしみ」と向き合っていく姿が描かれています。読後に静かな余韻が残る、心に染み入るような作品として紹介されました。

『教団X』中村文則著 – カルト教団を描いた傑作

『教団X』は、謎に満ちたカルト教団とその背後に潜む革命的な予感を描いた作品です。公安の監視を逃れてオカルト教団に消えた女性を追うことから始まるストーリーは、読者を予想外の展開へと導きます。

アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞するなど、国際的にも高い評価を受けている作品です。「アメトーク」でも紹介され、大反響を呼びました。絶対的な悪とされる教祖と、彼に従う四人の男女の運命が複雑に絡み合う中で展開する物語は、日本社会の根幹を揺さぶる問題提起をしています。

『ある男』平野啓一郎著 – 衝撃的な展開の長編小説

『ある男』は、愛した夫が全くの別人だったという衝撃的な設定から始まる長編小説です。弁護士の城戸が、里枝から「ある男」についての奇妙な相談を受けるところから物語は動き出します。

再婚後の幸せが一変し、事故死した夫「大祐」が別人だと判明。愛と過去の謎が浮かび上がる展開に、若林さんは「ある男になりたいという願望に共感した」と語っています。アイデンティティと愛の本質を問う傑作として紹介されました。

『コンビニ人間』村田沙耶香著 – 芥川賞受賞の話題作

36歳未婚でコンビニバイト歴18年の古倉恵子が主人公の『コンビニ人間』は、日常と「普通」を問い直す物語として多くの読者の心を掴みました。

コンビニでだけ感じる安心感を揺るがす、新入り男性・白羽の登場によって彼女の生き方が試される展開は、現代社会における「普通」とは何かを問いかけています。第155回芥川賞受賞作で、世界40カ国語に翻訳されるなど、累計170万部を突破した話題のベストセラーです。

若林さんは「社会における「普通」とは何かを問い直す内容に共鳴した」と述べており、2022年の「アメトーク」放送後にはAmazonの文芸書売り上げランキングで第1位を獲得しました。

『武蔵無常』辻村深月著 – 宮本武蔵の内面に迫る物語

剣道四段の芥川賞作家・辻村深月が描く『武蔵無常』は、心を病んでしまった宮本武蔵の物語です。勝利や殺しの意味を問う武蔵が、巌流島へと向かう姿を描いています。

若林さんは「己をかわすのか、断ち切るのか。それとも超えるのか。その行く末を自分のものにするために、僕も霊魂となって巌流島に渡りました」と語り、作品の魅力を伝えています。狂気と覚醒が交錯する中、小説という決闘場に立つ武蔵の姿は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

『ブエノスアイレス午前零時』藤沢周著 – 希望と抒情が交錯する名作

盲目の老嬢と孤独な青年が温泉旅館でタンゴを踊るという独特の設定から始まる『ブエノスアイレス午前零時』は、希望と抒情が交錯する名作として紹介されました。

芥川賞受賞のベストセラーが文庫化され、再び注目を集めています。若林さんは「藤沢作品はブエノスアイレス午前零時から読んでいる」と述べており、藤沢周の作品世界への入り口として最適な一冊と言えるでしょう。

『芸人交換日記』若林正恭著 – 架空の芸人コンビの物語

結成11年目、鳴かず飛ばずの30歳お笑いコンビ”イエローハーツ”が、未来を変えるために始めた「交換日記」を描いた『芸人交換日記』。お互いの本音をぶつけ合い、絆を深めようとするふたりの、おかしくも切ない物語です。

若林さん自身の著書であり、「自分の経験と酷似していて読みながら色々なことを思い出して最後の方は嗚咽でなかなか読み進められない程だった」と語っています。芸人という職業に対する深い洞察と、人間関係の機微を描いた作品として紹介されました。

『ドーン』平野啓一郎著 – 火星探査と人間の希望を問う長編

人類初の火星探査に成功した英雄・佐野明日人を主人公とする『ドーン』は、SF的要素を取り入れながらも、人間の本質を問う哲学的な長編小説です。

火星での”出来事”がスキャンダルとして浮上し、アメリカ大統領選を揺るがす展開の中で、「分人」という新たな概念を提唱し、人間の希望を問いかけています。若林さんは「ディヴ（分人）という言葉が出てきてとても興味を引かれた」と述べており、Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作としても注目を集めました。

芸人別おすすめ小説ピックアップ

「読書芸人」に登場する芸人たちは、それぞれ独自の視点で本を選んでいます。ここでは、主要な読書芸人たちがおすすめする小説をピックアップしてご紹介します。

オードリー若林のブックリスト

オードリー若林さんは、人間の内面や社会問題を扱った作品を好む傾向があります。2025年の放送では、『何様』『森に眠る魚』『ある男』『コンビニ人間』などを熱く語りました。

若林さんは自身も『芸人交換日記』などの著書があり、文章への造詣が深いことでも知られています。彼が選ぶ作品は、現代社会の問題や人間関係の機微を鋭く描いたものが多く、読書初心者にもおすすめできる作品が揃っています。

作品名	著者	特徴
何様	朝井リョウ	現代を鋭く切り取る短編集
森に眠る魚	角田光代	ママ友の闇を描いた衝撃作
正欲	朝井リョウ	欲望と正義の狭間を描く
服従	ミシェル・ウエルベック	近未来のフランス社会を描く
美しい距離	山崎ナオコーラ	人間関係の機微を描いた作品

Aマッソ加納が熱く語った小説

Aマッソ加納さんは小説全般、特に現代文学に詳しいことで知られています。2023年4月の「本屋で読書芸人」では、『嫌いなら呼ぶなよ』（綿矢りさ著）や『文豪たちの悪口本』などを紹介しました。

加納さん自身もエッセイ小説を出版しており、文学への深い造詣が感じられる選書が特徴です。彼が選ぶ作品は、現代社会の問題や人間関係を鋭く描いたものが多く、読者の心に深く刺さる作品ばかりです。

作品名	著者	特徴
嫌いなら呼ぶなよ	綿矢りさ	心に潜む”明るすぎる闇”に迫る
僕の心臓は右にある	大城文章	実体験に基づく衝撃の物語
文豪たちの悪口本	彩図社文芸部編	文豪たちの意外な一面を知る

ビビる大木が感動した作品たち

ビビる大木さんは歴史や伝記を中心に選書することで知られています。2023年4月の放送では、『わが夫 坂本龍馬 おりょう聞書き』（一坂太郎著）や『中濱万次郎』（中濱博著）など、歴史上の人物に関する作品を熱く語りました。

大木さんの選ぶ作品は、単なる歴史書ではなく、人間ドラマとしても読み応えのある作品が多いのが特徴です。歴史に興味がない人でも楽しめる、入り口として最適な作品を紹介してくれます。

作品名	著者	特徴
わが夫 坂本龍馬 おりょう聞書き	一坂太郎	龍馬の妻・おりょうの視点から描く
中濱万次郎	中濱博	直系子孫が描く中濱万次郎の生涯
辺境の路地へ	上原善広	全国各地の旅を描いた体験ルポ

カモシダせぶんが選ぶミステリー小説

カモシダせぶんさんはミステリー小説に造詣が深く、特に本格ミステリーから社会派ミステリーまで幅広いジャンルの作品を紹介しています。

彼の選ぶ作品は、単なる謎解きだけでなく、社会問題や人間ドラマも描かれた重層的な作品が多いのが特徴です。ミステリー初心者から上級者まで、幅広い読者におすすめできる選書が魅力です。

作品名	著者	特徴
君のクイズ	小川哲	クイズ番組を舞台にしたミステリー
教団X	中村文則	カルト教団を描いた傑作
罪の声	塩田武士	実在の事件をモチーフにした社会派ミステリー

読書芸人で紹介された小説の特徴と魅力

「読書芸人」で紹介される小説には、いくつかの共通点があります。ここでは、そうした作品の特徴と魅力について掘り下げてみましょう。

社会問題を鋭く切り取る作品群

「読書芸人」で紹介される小説の多くは、現代社会の問題を鋭く切り取った作品です。『コンビニ人間』は労働や「普通」の概念について、『教団X』は宗教と社会の関係について、それぞれ独自の視点から問題提起をしています。

こうした作品は、単なるエンターテイメントを超えて、読者に新たな視点や考え方を提供してくれます。芸人たちも、そうした社会性のある作品に惹かれる傾向があるようです。

人間関係の機微を描いた小説の数々

「読書芸人」で紹介される小説のもう一つの特徴は、人間関係の機微を繊細に描いている点です。『森に眠る魚』はママ友の関係を、『芸人交換日記』はコンビの絆を、それぞれ独自の視点から描いています。

こうした作品は、読者自身の人間関係を見つめ直すきっかけを与えてくれます。芸人たちも、自分自身の経験と重ね合わせながら、こうした作品の魅力を語っています。

ミステリーからファンタジーまで幅広いジャンル

「読書芸人」で紹介される小説は、ジャンルも多岐にわたります。本格ミステリーから歴史小説、ファンタジーまで、幅広いジャンルの作品が取り上げられています。

これは、芸人たちの多様な興味関心を反映したものであり、視聴者にとっても新たな本との出会いのきっかけとなっています。自分が普段読まないジャンルの本に出会えるのも、「読書芸人」の魅力の一つです。

アメトーク効果で売上急上昇した話題の小説

「読書芸人」の放送後には、紹介された本の売上が急上昇する「アメトーク効果」が見られます。ここでは、その具体的な事例をご紹介します。

放送後にランキング上位を独占した作品

2022年11月の放送後、Amazonの文芸書売り上げランキングでは、紹介された本が上位を独占する現象が起きました。第1位は村田沙耶香の『コンビニ人間』、第2位は平野啓一郎の『マチネの終わりに』、第3位は東野圭吾の『恋のゴンドラ』となりました。

これらの作品は、放送前と比べて大幅に順位を上げており、『コンビニ人間』は前週7位から1位へ、『マチネの終わりに』は前週34位から2位へと急上昇しました。「読書芸人」の影響力の大きさを示す事例と言えるでしょう。

SNSでも話題沸騰！読者の反応

「読書芸人」で紹介された本は、SNSでも大きな話題となります。TwitterやInstagramでは、紹介された本を購入したという投稿が多数見られ、「読書芸人効果で本屋に行ったら品切れだった」という声も少なくありません。

また、「読書芸人」をきっかけに読書を始めたという人も多く、番組が新たな読書ファンを生み出す役割も果たしています。芸人たちの熱量が視聴者に伝わり、本の魅力を再発見させてくれるのです。

初心者でも読みやすい！入門におすすめの小説

「読書芸人」で紹介される小説の中には、読書初心者にもおすすめできる作品も多くあります。ここでは、そうした作品をピックアップしてご紹介します。

文体がわかりやすく展開が面白い作品

読書初心者におすすめの小説としては、文体がわかりやすく展開が面白い作品が挙げられます。『コンビニ人間』は36歳のコンビニ店員が主人公という身近な設定で、読みやすい文体と展開の良さが特徴です。第155回芥川賞受賞作でありながら、読書初心者でも楽しめる作品として多くの人に支持されています。

また、『何様』も就職活動を終えた若者たちの姿を描いた短編集で、現代社会を生きる人々の姿が共感を呼ぶ作品です。朝井リョウの文体は平易でありながら鋭い観察眼が光り、読書初心者でも読みやすい作品として「読書芸人」でも紹介されました。

これらの作品は、難解な表現や複雑な構成を避け、読者が物語に入り込みやすい工夫がされています。読書に慣れていない人でも、ページをめくる手が止まらなくなるような魅力を持っているのです。

短編から始める読書のすすめ

読書初心者には、長編小説よりも短編集から始めることをおすすめします。短編は一話完結型で、比較的短時間で読み終えることができるため、達成感を得やすいという利点があります。

「読書芸人」でも紹介された『とんこつQ&A』（今村夏子著）は、短編集でありながら人間の機微を鋭く描いた作品として高い評価を受けています。また、『文豪たちの悪口本』も、文豪たちの意外な一面を知ることができる読みやすい一冊です。

短編集は、自分の好みのジャンルや作家を見つけるための入り口としても最適です。気に入った作家が見つかれば、その作家の長編小説に挑戦してみるというステップアップも可能です。読書の世界は広く深いですが、短編集から始めることで、その入り口をより身近に感じることができるでしょう。

まとめ：アメトーク読書芸人から広がる読書の世界

「アメトーク読書芸人」は、単なる本の紹介番組ではなく、芸人たちの人生観や価値観が反映された、深みのある文化番組です。彼らが熱く語る小説の数々は、私たちの読書生活に新たな風を吹き込んでくれます。

本記事で紹介した10作品は、どれも芸人たちが自らの経験と重ね合わせながら選んだ珠玉の作品ばかりです。社会問題を鋭く切り取った作品から人間関係の機微を描いた作品まで、幅広いジャンルの小説が含まれています。

読書初心者の方も、これらの作品をきっかけに読書の世界に踏み出してみてはいかがでしょうか。芸人たちの熱量が伝わる「読書芸人」の放送と合わせて楽しむことで、より深い読書体験が得られるかもしれません。